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ご挨拶

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ご挨拶                                       < 2003年 記 >
  かつて『身体(からだ)の健康とお口の健康』のお話をさせて頂く機会に、先ず健康の定義を考えてそれに準えてお口の健康の話をしていました。しかしよく考えてみれば全身の一部である口腔(こうくう)を分けて考えることのほうがおかしい訳です。そこで私は、皆様が健康でいられることへのお手伝いを歯科医師という立場から出来るといいなと考えるようになりました。
  さて、昨今では歯周病と全身との関わりについて耳にすることもあろうかと思います。他の疾患(例えば糖尿病)が歯周病のリスクファクターになり、また、歯周病が他の全身疾患(例えば肺炎、感染性心内膜炎)のリスクファクターになっていることが少なくないことが医学的に立証されてきました。更に口の働きを挙げてみれば、母乳を吸うところからはじまり、咀嚼により痴呆を予防するに至るまでには、会話をしたり歌を歌ったり、味わったり舌で感じたり、セキやクシャミ(いずれも異物を外に出す防御反応)をしたり等々と、単に食物摂取のみでないことはお分かりの通りです。よって口のみが独立した臓器でないのは言わずもがな、お口の健康とは身体の健康の入り口であるとともに健康な生活の源と考えてよいでしょう。その大切な『口腔』という臓器の専門家としてのプライドを持って患者さんに寄り添っていきたいと私は思っています。
 健康とは病気が無いということではなく、頓に変化する環境下において心身とも上手にバランスをとって適応している状態ともいえます。また、健康増進法(2002年公布2003年施行)によれば、「国民は生涯に渡って自らの健康状態を自覚するとともに健康の増進に努めなければならない」とされています。そこで、私は歯科医師として地域住民の皆様と共に考え、皆様がお口を通して全身の健康保持増進していただくためにほんの少しでもお役に立てればそれほど幸せなことはないと思っています。

歯科公衆衛生専門医・・・       <2022年 記>
老化防止はお口から (神奈川県歯科医師会ホームページに掲載)